2018年10月14日
スタッフブログ
歯周病と医療費の関係
「定期的に歯のクリーニングに通うとお金がかかるから行きたくない」と感じる方はいませんか?確かに歯周病予防のための歯石除去やクリーニングはある程度費用がかかります。しかし歯周病になってしまうと、かえって医療費がかかってしまうのです。今回は歯周病と医療費の関係に焦点を当ててみたいと思います。
■歯周病の怖いところとは
歯周病は虫歯と並んで歯を失う2大疾患のひとつと言われており、特に最近は虫歯よりも歯周病によって歯を失うケースが増えてきていると言われています。
歯周病を予防するためには毎日の歯磨きに加え、歯科医院で定期的な歯石除去やクリーニングが必要です。
しかし治療ならともかく、予防のためにわざわざ高いお金を払う必要はないのではないか、また歯石除去やクリーニングはお金がかかるからという理由で受診しなくなると、歯周病は確実に悪化します。
歯周病が進行するとどのようになるか、自覚がない方もたくさんいらっしゃいます。そこが歯周病の怖いところであり、症状が悪化するまで歯周病に気づかない方も少なくありません。歯ぐきの腫れや出血の初期症状から始まり、口臭がきつくなる、歯ぐきが下がる、顎の骨が吸収され始めて歯が揺れ動くという症状に進行します。さらに悪化すると歯ぐきに膿が溜まり、ひどい口臭を放つため周りに不快感を与えてしまいます。そしてますます歯が揺れ動き、最終的に抜け落ちるか抜歯になってしまいます。
定期的に歯石除去を受けていると、歯周病の進行を抑制し、現状維持を保つことができますが、何も気になることはないからと定期検診を受けずにいると、後悔する結果が待ち受けていると言っても過言ではありません。
■歯周病は全身の健康に関わっている
歯周病の怖いところは、お口の中だけでなく体の健康にも関わっているところです。
特に関わりが深い全身疾患として糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、早産および低体重児出産などが挙げられます。
特に糖尿病は合併症を伴う怖い病気です。この糖尿病は歯周病と関わりが非常に強いと言われています。
全身の病気になると医療機関を受診する機会が増え、医療費が増えてきます。
また歯周病になって歯を失うと、噛む機能が著しく低下し、体の健康にも悪い影響をあたえてしまいます。食事が疎かになることで体の健康を損ね、様々な病気のもとになるのです。
■生涯医療費を抑えるためにも定期検診はきちんと受けるべき
定期検診を受けると確かに費用は必要になります。しかし定期検診を受けずに過ごすと、やがて歯石が溜まって歯周病リスクが高まり、気付かない間に症状が進行します。
歯周病になると歯がグラグラしてしっかり噛めなくなり、体の健康にも影響が及んでしまいます。体の健康に影響が出ると医療機関を受診する回数が増え、結果的に費用がかかることになってしまいます。医療費を抑えるためにはまず健康でいることが第一です。
歯周病にならないためにも、定期検診はきちんと受けておきましょう。
2018年10月12日
スタッフブログ
歯ぐきの腫れの原因とは
歯ぐきの腫れは、歯磨きがきちんと行えずに汚れが溜まるとすぐに起こってしまいます。しかし歯ぐきの腫れは単にお口の中の不衛生だけ起こるわけではありません。中にはすぐに処置を必要とするケースもあり、その原因は様々です。今回は、歯ぐきの腫れの原因についてお話をいたします。
■歯ぐきの腫れについて
歯ぐきの腫れとは、歯ぐき全体が赤く腫れ、指で触ってプヨプヨしていたり、出血するなどがよく比較的見られます。一方、特定の部位の歯ぐきが腫れている場合、何らかの細菌感染が疑われます。以下に、歯ぐきが腫れる原因は次のことが挙げられます。
・ブラッシング不足による歯肉炎
歯ぐきの腫れで最も多い、ブラッシング不足による歯肉炎は特に思春期のお子さんや、妊婦の方によく見られます。丁寧なブラッシングで改善が可能です。
・歯周病による歯ぐきの腫れ
歯肉炎はブラッシングで改善できますが、歯周病による歯ぐきの腫れは、自宅でのブラッシングだけでは改善が難しいでしょう。歯周病は、歯周病菌により歯ぐきや歯周組織に起こる炎症です。歯周病が進行すると歯と歯ぐきの溝である歯周ポケットの数値が大きくなります。歯周病菌が歯周ポケットへ入りこむと歯ぐきの炎症を引き起こし、慢性的な歯ぐきの腫れを引き起こします。
・合っていない被せ物
被せ物が合っていないことも、歯ぐきの腫れを引き起こしてしまいます。歯と被せ物のの周囲に細菌が繁殖することで歯ぐきが腫れてしまいます。
・根尖性歯周炎
根尖性歯周炎という聞き慣れない名前も、歯ぐきの腫れの原因になります。根の先に膿が溜まることで歯ぐきが腫れてしまいます。
根尖性歯周炎の原因は、根の治療後に再び細菌が繁殖すること、また歯をぶつけて神経が芯でしまったことによるものがあります。歯肉炎のように歯ぐきのきわでなく、根の先端近辺で腫れが起こります。
なお根尖性歯周炎は歯科医の痛みの中で最も痛いと言われています。あまりに症状がひどいときは、大きな口腔外科で点滴などの処置が必要になる場合があります。
・智歯周囲炎
智歯とは親知らずのことで、親知らず周囲の歯ぐきが腫れることを智歯周囲炎と言います。
親知らずはいちばん奥に生えているためブラッシングが非常に行いにくく、汚れが溜まりがちになります。溜まった汚れにより細菌が繁殖し、歯ぐきの腫れを引き起こしてしまいます。
・歯根破折
歯根破折とは、歯の根が割れている症状のことです。歯の根が割れるとその部分から細菌感染が起こります。そのため割れてしまった歯の周辺全体が腫れてしまいます。
■歯ぐきが腫れたら早めに歯科医院を受診すること
歯ぐきの腫れについてお話をしました。歯ぐきの腫れは、歯肉炎だけとは限りません。強い痛みを感じる場合や特定の部位だけが腫れている場合、できる限り早めに歯科医院を受診して、適切な処置を受けることが大切です。
2018年10月11日
スタッフブログ
デンタルフロスのご紹介
皆さんこんにちは。歯科衛生士の中嶌です。
前回の星川に続きパワーアップ商品のご紹介です。
いきなりですが、皆さん虫歯の好発部位(できやすい場所)をご存知ですか?
・噛み合わせ(咬合面)
・歯と歯茎の境目(歯頸部)
・歯と歯の間(隣接面)です。
その中でも歯と歯の間は目には見えにくく、気づいた時には進行していることも!!
そして普段歯磨きはきちんとしてるのに…という方も多いと思います。
でも、実は歯ブラシだけでは6割〜7割程の歯垢しか落とすことが出来ないんですよ!
そこで登場するのがデンタルフロス!!
歯と歯の間の汚れは専門のケア用品にお任せ!
1日1回のケアで虫歯リスクがぐっと下がります。
特に使用する時間帯は寝る前がおすすめです。
その理由は、就寝中は唾液の分泌が少なくなり、口の中の細菌が増殖しやすい環境になるためです。
就寝中の口の中を清潔に保つには、寝る前に細菌のかたまりである歯垢をできるだけ取り除くことが大切です。
ではお子さんの場合もフロスは必要でしょうか??
もちろんです!!!
乳歯の虫歯の進行は永久歯より早く進みます。
フロスを使ってお子さんの大切な歯を守ってあげましょう。
そんな親御さんの想いに応えたく入荷したのが、お子さん用デンタルフロスフロッシーです。(前置きがだいぶ長かったですね…笑)
6種類(バナナ・オレンジ・いちご・ぶどう・リンゴ・マンゴー)のフレーバーでお子さまも楽しくケア♪
いつでも清潔な個包装パックで、お出かけや旅行にも持っていけます!
姪っ子ちゃんや甥っ子ちゃん、お孫さんへのプレゼント、ママ友さんへのちょっとしたお礼のプレゼントにも持ってこい!
お菓子より気が利いてるかも!?
一箱600円です。
ぜひお試しください☆
2018年10月08日
スタッフブログ
根管治療の重要性
虫歯は、進行具合によって治療内容が異なります。激しい痛みを伴う虫歯は、神経の治療である「根管治療」を行う必要があります。この根管治療は、歯の今後に関わるたいへん重要な治療です。今回は根管治療の重要性にスポットを当ててみました。
■根管治療とは
虫歯は、虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶ける病気です。歯の表面のエナメル質が溶ける程度では痛みなどの自覚症状は感じません。しかし虫歯がエナメル質の内部にある象牙質まで及ぶと、甘いものや冷たいものが滲みるようになり、さらに虫歯が象牙質内部の神経や血管が通っている「歯髄」にまで及ぶと、ズキズキと脈打つような激しい痛みに襲われます。
神経まで達した虫歯の場合、細菌に汚染された神経を取り除き、根の中をきれいに消毒する「根管治療」が必要となります。
何回かに分けて根の中を綺麗に消毒し、完全に綺麗になった状態が確認できたら次は根管の中に最終的な薬を詰めて密閉する「根管充填」を行います。
問題がなければファイバーコアなどの土台を立てて型取りを行い、被せ物を装着して機能を回復させます。
根管治療は、ご自身の歯を残すための大変重要な治療であり、歯の寿命を大きく左右する治療であると言えます。
■根管治療の種類
根管治療には3種類あり、どれも根管内部に起こった炎症を鎮める治療を行います。
・抜髄・・・神経のある歯が虫歯菌などの細菌感染により歯髄内に炎症が起きている状態。細菌感染した神経を取り除き、根の中をきれいにする治療。
・感染根管処置・・・被せ物の下で根管内が細菌感染を起こしている状態。被せ物を取り除き、根管内部をきれいにする治療。
・再根管治療・・・根管治療を行ったにもかかわらず、痛みや違和感がある場合、抜髄時などの細菌感染が疑われる状態で、再度根管治療を必要とするケース。しかし再治療の成功率はそれほど高くない。再根管治療を繰り返すことで歯が薄くなり、将来的に抜歯の可能性もある。
■根管治療で注意すべき点とは?
根管治療は一度の治療では終わりません。細菌の汚染された根管内部を完全にきれいにするためには何度か通院する必要があります。「何度も歯医者に通うのは面倒」と思われるかもしれませんが、ここでしっかりと根の治療を行っておかないと、いつまでも痛みや違和感がある、歯ぐきが腫れるなど重篤な症状が出ることがあります。
抜髄や根管治療を行って痛みがなくなったから通院を止める人も、実は少なくありません。しかし痛みがなくなったからといって必ずしも根管内部が綺麗になったとは限りません。少しでも細菌が根管内に残っていると、細菌は再び増殖するからです。
根管治療は、歯を残すための重要な治療です。途中で中断することのないよう、根の治療は必ず最後まで行うことが何よりも大切です。
2018年10月07日
スタッフブログ
11年目もパワーアップ☆*゚
皆様こんにちは!歯科衛生士の星川です☺︎︎
10月に入り、秋もどんどん深くなって行きますね😊秋は、食欲の秋、運動の秋、読書の秋……と様々な楽しみがありますね✨平成最後の秋を楽しみたいですね🌰🍂
さて!タクヤデンタルクリニックは10月2日に、開業11周年を迎えました👏✨皆様に支えられてここまで来れました。ありがとうございます。これからも、皆様の健康づくりのお手伝いをしていきますのでよろしくお願いします!!
そして、スタッフからは、理事長に、サプライズムービーをプレゼントしました🎁💕
改装を終え、タクデンはさらにパワーアップしていきます💪✨
今日は、パワーアップとして2つをご紹介します!
1つ目は……
コンクールFです!
特徴
1.高い殺菌効果
歯周病に効果のある殺菌成分「グルコン酸ク ロルヘキシジン」 が最大12時間も歯面に吸着して殺菌力が持続
2.使用感が良い
ピリピリぜす、ほのかな爽快感で後味スッキリ!
コップ一杯の水に数滴混ぜて、すすぐだけなので、毎日気軽に使えます。
2つ目は……
コンクールジェルコートFです!
特徴
1.フッ化ナトリウムで歯を強く
フッ素を配合し、再石灰化を促進し、歯磨きのたび歯を強くする
2.歯に優しい
歯面を傷つけるリスクのあら研磨剤は無配合
3.殺菌効果
殺菌剤の「塩酸クロルヘキシジン」を配合し、殺菌効果により、むし歯、歯周病を予防。口臭防止効果も!
洗口剤や歯磨きジェルは気軽に使えるので、むし歯や歯周病予防の為の日々のケアにオススメです👌✨
気になる方は、スタッフまでお申し付けください😊🙆
2018年10月06日
スタッフブログ
一度歯槽膿漏になったら、またすぐ歯槽膿漏になりやすい?
歯周病として名が知られている歯槽膿漏は、日本人の約80%が罹患していると報告されているほど身近な病気です。たかが歯ぐきの腫れ、と侮っていると、あとで痛い目を見ることになってしまうこの歯槽膿漏は、いちどなってしまうとすぐ再発しやすいものでしょうか。
一般的に歯周病は「完治」ということはないと思います。つまり歯周病リスクは誰でも抱えていると同時に、お口の中に存在する歯周病菌を100%なくすことはなかなか困難であることから、このように考えることができます。
お口の中の細菌バランスは人によって異なります。歯石除去とクリーニングを行った直後のお口の中は非常に清潔で、歯はツルツルしており、プラークが付きにくい状態です。もし毎日歯科医院で歯石除去やクリーニングを行うと、この状態をキープし続けることができるかもしれませんが、実際問題として毎日歯科医院で処置を受けることはまずありません。
毎日歯磨きを行っていても、どうしてもプラークは形成されてしまいます。歯周病に罹患している人は、特にプラークが形成されやすく、歯石となって歯に付着しやすくなります。
つまりいちど歯槽膿漏になってしまうと、再発するリスクは非常に高いと言えるでしょう。
このような意味合いから考えて、歯周病治療の目的は完治ではなく、再発の予防と進行の抑制です。歯周病は歯ぐきの腫れや出血だけではなく、歯を支えている歯槽骨、つまり顎の骨を吸収してしまいます。残念ながら、いちど吸収された顎の骨を元に戻すことはできません。
しかし適切な歯周病治療を継続することで、これ以上症状が進行しないよう抑制することは可能です。また腫れた歯ぐきを引き締めることで歯周ポケット数値が改善され、歯周病の悪化を防ぐことも可能です。
歯周病治療を行っても、歯周病菌をゼロにすることはできません。つまりいつでも再発するリスクを抱えているということになるのです。特に重度の歯周病に罹患している人は、すぐに再発する恐れがあるため、歯科医院での定期的な治療が欠かせません。
今や歯槽膿漏、つまり歯周病は非常に身近な病気として知られており、コマーシャルなどでも歯周病用の歯磨き剤が毎日のように宣伝されています。また歯周内科という、抗生物質を投与して口内の細菌を減らす治療法を行う歯科医院もたくさんあります。
しかし結局のところ、どんなによい歯磨き剤や投薬治療を行っても、再発を防ぐことはできません。再発を防ぐためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが最も効果的なのです。
セルフケアを頑張って行うことは歯周病や虫歯の予防に欠かすことができません。しかしそれだけでは歯周病や虫歯を防ぐことは難しく、歯科医院でのプロのケアがどうしても必要になります。
後から後悔しないためにも、毎日のセルフケアに加え、歯科医院での予防治療を受け、お口の健康を守るようにして下さい。
2018年10月05日
スタッフブログ
金属床義歯とは
一般的に「入れ歯」と呼ばれている義歯には、実に様々な素材や種類があります。保険適用の素材の義歯は樹脂のみですが、自費のものは上顎部分に金属が使われている「金属床義歯」という義歯も多数あります。今回は金属床義歯についてご紹介いたします。
■保険適用の義歯と金属床義歯について
入れ歯は、失った歯の機能回復治療として最もスタンダードな治療法です。入れ歯には保険適用のものと、保険適用外のものがあります。
保険適用の入れ歯の素材には樹脂が使われています。保険適用のため安価で治療および入れ歯の作製ができますが、機能面がやや劣ること、そして熱が伝わりにくく食事の味がわかり辛いことが大きなデメリットです。
自費の入れ歯は上顎の部分に金属が使われている金属床義歯など、色々な義歯があります。
特に金属床義歯は保険適用の樹脂の入れ歯と違い、金属を使うことで入れ歯自体が薄く丈夫で違和感が少ないこと、熱を伝えやすく食事の味がわかりやすいことが特徴です。
保険適用の入れ歯の約1/3の薄さのため、違和感が少ないでしょう。
プラスチックの入れ歯は壊れやすいことに対し、金属床義歯は金属を使っていることで薄く丈夫であることも大きなメリットです。保険の入れ歯は破損しても修理が容易ですが、金属床義歯もレーザーで溶接して修理することが可能です。またたわみにくく、壊れにくいこともメリットとして挙げられます。
反対に、金属床義歯は自費治療のみとなり高額な治療費が必要になることがデメリットと言えます。
■金属床義歯の種類について
次に金属床義歯の種類をご紹介します。
・チタン床
金属の部分がチタンで作られている入れ歯です。チタンは歯科インプラントの素材としてよく知られていますが、金属床義歯でも使われます。チタンは腐食せず、アレルギー反応を起こしにくい性質があり、体に優しい金属です。
・コバルト床
コバルトクロムを使った金属床義歯は歴史が長い入れ歯です。丈夫で使いやすい入れ歯ですが、コバルトクロムにアレルギー反応を示す方もいるため、心配な方は歯科医院に相談して下さい。
金属床義歯は変形しにくく、破損することはめったにありません。また樹脂に比べると汚れが付きにくく、清潔に使うことができることも金属床の優れた点です。
入れ歯を長く快適に使用するためにも定期的に歯科医院で調整してもらうようにして下さい。
2018年10月03日
スタッフブログ
クラウンとインレーの違い
虫歯治療などで歯を削った部分を補う補綴物として、クラウンと呼ばれるものと、インレーと呼ばれるものがあります。ではクラウンとインレーは、どのように違うのでしょうか。
■クラウンとインレーの違いとは?
クラウン、インレーともに削った歯を修復する治療法です。どちらも虫歯を削り、型取りを行って仕上がった修復物を装着し、機能を回復させますが、インレーとクラウンの大きな違いは、インレーは小臼歯および大臼歯といった臼歯部のみ適用されることです。
いっぽうクラウンは、前歯をはじめどの部位にも適用されます。
以下に、インレーとクラウンの違いについてもう少し詳しく説明いたします。
<インレー>
インレーとは、小臼歯または大臼歯に生じた虫歯を治療する際に削った部分を修復する詰め物です。インレーは歯を削る範囲がそれほど広くないことが大きなメリットです。歯を削る範囲が少ないことは、歯を長持ちさせることに繋がります。
インレーには保険適用のものと保険外のものがあり、保険適用は金銀パラジウムを使った金属素材で、一般的に「銀歯」と呼ばれるものです。
保険外のインレーにはジルコニアセラミックやハイブリッドセラミックなどを使った白いものが使われます。最近ではe-maxという強度に優れたインレーが注目を集めています。
インレーの弱点は、二次カリエスになりやすいことです。二次カリエスとは、インレーやクラウンの中で再び虫歯になってしまうことを言います。特に金属のインレーの場合、歯とインレーの間に生じた隙間から虫歯菌が入り込みやすく、二次カリエスのリスクが非常に高くなってしまいます。
またインレーは素材によっては割れてしまうことが挙げられます。特に第一大臼歯にインレーを装着した場合、噛むたびに強い力が加わるため、ハイブリッドインレーなどは割れるリスクが高まります。小臼歯の場合はそれほど問題になりませんが、大臼歯にインレーを適用する場合、素材の選択に注意が必要です。
<クラウン>
クラウンとは、根管治療の後に被せる人工歯のことです。根管治療とは、歯の神経まで虫歯が達した場合に行われる治療で、虫歯菌によって汚染された根の中をきれいに消毒します。根管治療では歯をたくさん削るため歯が薄くなってしまいます。そこへ土台を立て、型取りを行ってオールセラミックなどのクラウンを装着して機能を回復します。
クラウンにも保険適用のものと保険適用外のものがあります。
保険適用は前歯の場合、見える部分が白いプラスチック、裏側が金属になります。小臼歯は歯の残り具合により、金属かCAD/CAM冠という全てが白いプラスチックのものになります。大臼歯はほとんどの場合、金属のクラウンになりますが、保険算定の見直しにより、下顎の第一大臼歯のみ白いCAD/CAM冠が適用されるようになりました。ただし条件がクリアできる場合のみ適用となるため、歯科医師の判断が必要です。
保険適用外の場合、素材の制限を受けません。セラミックを使った白くて美しい素材が色々あるため、歯科医師と相談して決めることができます。
クラウンのデメリットは、歯をたくさん削ることです。根管治療は歯をたくさん削って虫歯を除去します。また神経を取った歯は栄養分が歯に届かなくなること、そして歯を削るため歯質が薄くなることからどうしても脆くなります。そのためクラウンを被せても、歯や歯の根が割れてしまうことがあります。
■歯を長持ちさせることを第一に考えましょう
クラウンとインレーの違いについて説明いたしました。
どちらも歯の修復物であり、機能を回復させるための治療法です。最近では審美面を考慮した良い素材がたくさん出てきました。
とはいえ、ご自身の歯に勝るものはありません。なぜインレーやクラウンの治療を行わなければならなかったのか、その理由をよく考え、今後の歯の健康を守ることを第一に考えるよう、定期検診やメンテナンスは必ず受けるようにしましょう。
2018年10月01日
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お子様の定期検診の重要性
歯の定期検診は、歯とお口の中の健康に欠かせませんが、歯の定期検診は大人のためだけだと思っていませんか?定期検診は小さなお子様に対しても行われます。このお子様の定期検診は大変重要な意味合いがあります。今回は、お子さまの定期検診の重要性についてお話をしたいと思います。
■子どもの定期検診の目的とは
小さなお子様の定期検診の目的は、大人と同じで歯の健康を守ることです。
お子様のうちから定期検診を受診することで、虫歯の有無や歯ぐきが腫れていないか、また生えてきた歯が正しく並んでいるかどうかなどを確認します。
またお子さまの定期検診には、もうひとつの目的があります。それは、幼いうちから定期検診を受診することによって、大人になっても定期検診を継続することです。歯は悪くなってから歯医者を受診するのではなく、歯を守る予防の意識を持ち、歯の健康を守るために定期検診を受診する意識を持っていただくことも、小さなお子様の定期検診の目的と言えるでしょう。
お子様の定期検診は、乳歯の間から虫歯にならないよう気をつけること、そして将来の歯並びや歯の健康を守るために大変重要な役割があるのです。
■お子様の定期検診で行うこと
ではお子様の定期検診ではどんなことが行われるのでしょうか。
・歯科医師によるお口の中の確認
虫歯や歯ぐきの腫れの有無、歯並びおよび咬合の確認をします。
・ブラッシングや歯石除去
年齢に応じて、歯磨きや歯石除去を行います。お子様でも唾液の質や口呼吸などにより、歯石が付くことがあります。歯石が付いている場合は除去します。
ブラッシングが上手くできないお子様には、歯磨き指導を行ない、ご家庭で上手に歯磨きできるよう指導します。
・フッ素塗布、シーラントなどの処置
フッ素塗布を行うことで、虫歯予防の効果が高まるだけでなく、歯の表面が少し溶けた「脱灰」を治癒することが可能となります。
また一般的に「6歳臼歯」と呼ばれる第一大臼歯は、生えたばかりはとても虫歯になりやすいため、歯の溝にコーティングを行う「シーラント」という処置を行い、虫歯を防ぎます。
■お子様の虫歯について
定期検診を受けることで、保護者の方では見つけにくい虫歯が見つかることがあります。早期に治療を行うことで歯を削る量が少なくて済みます。また歯の表面が少し溶けて表面が白く濁っている「脱灰」の場合は、歯を削らずにフッ素を塗って様子を見るなど、定期検診を受けていることで小さな異常を早期に発見することが可能となります。
■お子様にも「虫歯にならない」ことを理解してもらいましょう
虫歯治療と聞くと、小さなお子様はとても怖がってしまいます。小学生になってもやはり虫歯治療は恐いというお子様もまだまだたくさんいます。虫歯治療をしたくなければ、虫歯にならないように気を付けることが大切です。虫歯になってから治療に来るのではなく、虫歯にならないように定期検診を受けることを、保護者の方だけでなくお子様にもゆっくりと理解してもらってください。
2018年09月30日
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SPTⅡとは?
歯科治療には専門用語がたくさんあり、患者さんにとってわからないことがたくさんあると思います。今回はそんな難しい専門用語のひとつ「SPTⅡ」についてご説明いたします。
■「SPTⅡ」とは継続して行う歯周病治療
見慣れない、聞き慣れないこの「SPTⅡ」とは、「歯周病安定期治療」のことで、歯周病治療の一環です。
歯周病菌により歯ぐきや歯を支える歯周組織に起こる歯周病は、虫歯と並んで歯を失う大きな原因です。歯周病は痛みなどの自覚症状があまりなく、気付かないうちに症状が悪化して最終的に歯を失ってしまう怖い病気で、20代以降から発症しやすくなります。
歯周病は症状が悪化するにつれ、歯周ポケットの数値が深くなります。歯周病の治療は歯石除去やクリーニングを行って改善を促します。しかし中度~重度の歯周病の場合、歯周病治療を行って一時的に症状が安定しても、再発のリスクを抱えています。特に歯周ポケット数値が高いままだと、そこへ歯周病菌が侵入して歯周病が再発してしまいます。
このようなことを考慮し、安定した状態を維持するために歯周病治療を継続して行う治療が「SPTⅡ」なのです。
■SPTⅡで行う治療とは?
歯科医院により内容は若干異なりますが、SPTⅡで行う主な治療内容は次のとおりです。
・超音波器械や手動器具による歯石除去およびプラーク除去
・歯周病を誘発する因子の治療(歯周病菌を除去する投薬治療など)
・ブラッシング指導および食生活などの指導
歯石除去は歯周病治療に欠かすことができません。歯石が溜まることでプラークが蓄積されやすくなり、歯周病の悪化を招いてしまいます。歯石は自分では取ることが難しいうえ、歯肉の下に付着した歯石は、専用の手動器具を使って除去する必要があります。
またプラークは毎日歯磨きを行っていても付着するものです。プラークは柔らかい汚れですが、専用のブラシやペーストを使用することで歯の表面を磨き上げ、細菌が付着しにくい状態へと導くことができます。細菌が付着しにくい状態になると、歯周ポケットへの細菌の繁殖を抑制することができます。
加えて細菌が繁殖しやすい患者さんには、抗生物質を服用して細菌の繁殖を抑えることもあります。
そして適切なブラッシングが行えているかどうかのブラッシング指導とともに、歯周病を誘発しにくい食事指導を行って生活習慣病を引き起こさないよう指導します。
■SPTⅡは歯周病の再発を予防および進行を抑制する大切な治療
SPTⅡについてご説明しました。歯周病はいったん状態が良くなっても再発しやすい病気です。特に糖尿病などの全身疾患がある方や喫煙習慣がある方などは、再発のリスクが非常に高くなります。
歯周病菌の増加を抑制し、再発を防ぐことを目的とするSPTⅡは、歯を長持ちさせるだけでなく、全身の健康を守る非常に大切な治療です。
患者さんのお口の中の状態により通院期間は異なりますが、1~3か月に一度の間隔で治療を受けることが望ましいでしょう。