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ホームケアだけでは歯槽膿漏は治せない?

今では歯周病という呼び方でよく知られている歯槽膿漏は、30代以降では8割の方が発症すると言われている生活習慣病のひとつです。歯槽膿漏は歯周病菌の存在とお口の中が不衛生な状況が発症の原因ですが、ホームケアだけでは治すことができないのでしょうか。

 

■お口のなかと全身の健康に影響を与える歯槽膿漏

歯周病菌により歯ぐきや歯の周りの歯周組織に炎症が起きる歯槽膿漏は、30代以降では8割以上の方が発症していると言われており、歯を失う原因の病気のひとつです。

小中学生では歯肉炎という症状で起こりますが、成人以降、特に中高年層になると歯ぐきの腫れや出血だけにとどまらず、口臭や歯が揺れ動くなどの症状が出てくるなど、歯槽膿漏のの発症率は非常に高くなってきます。

 

歯槽膿漏は歯ぐきの腫れや出血が主な症状ですが、やがて歯周病菌が歯周組織にも影響を与え始めると顎の骨を吸収し、歯を支えられなくなって最後には抜け落ちてしまいます。

またその影響はお口のなかだけではなく、糖尿病や脳梗塞など全身の健康にも深く関わっている怖い病気です。

 

■ホームケアだけでは予防や改善が難しい・・・?

日本においては成人の8割以上が歯槽膿漏であると報告されていますが、なぜ歯槽膿漏になってしまうのでしょうか。

それはお口のなかに存在する細菌の中に歯周病菌と、口腔内の衛生環境が整っていないことが直接の原因であり、歯槽膿漏を発症しやすいような生活習慣などが間接的な原因として考えられます。

 

歯槽膿漏の予防は、家庭での丁寧なブラッシングが基本です。

お口のなかに存在する細菌が食べかすの中にある糖分を栄養素としてプラークを作り出し、そこに歯周病菌が棲みつくことで毒素を出し、歯ぐきの腫れや出血といった症状を引き起こします。小中学生には歯周病菌はあまり見られず、ほとんどの場合歯肉炎と診断され、その多くは丁寧なブラッシングにより改善されます。

ところが成人になると歯肉炎だけにとどまらず、少しずつ歯周組織に炎症が広がり始め、歯槽膿漏へと進行してしまいます。そのためホームケアだけでは改善が難しくなってしまいます。

その原因となるのが、歯石です。

歯石はプラークが石灰化し、石のように固くなった細菌の死骸のようなものです。

歯石そのものは毒素を出すわけではありません。しかし歯石が付着していると新たなプラークが溜まりやすくなり、歯槽膿漏の悪化を招いてしまいます。

この歯石は固く、歯にこびりついています。これをホームケアで取り除くことは困難です。また歯槽膿漏が進行すると歯石が歯ぐきの下(歯肉縁下)にまでこびりつきます。これはどう頑張ってもご自身で取ることはできません。

歯石を取るためには歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が超音波スケーラーという専用の器械を使って取り除く必要があります。

また歯肉縁下に付着した歯石は歯槽膿漏が悪化している証でもあり、取り除いておかないと更なる悪化を招いて歯槽骨を吸収してしまいます。歯肉縁下に付着した歯石は器械では取ることができず、キュレットという手動用の器具を使って丁寧に取り除いていきます。

もちろん家庭でのセルフケアは必要ですが、歯槽膿漏になるとホームケアだけでは治すことができないのです。

 

■ホームケアと歯科医院での処置が大切

歯肉炎の間は適切なホームケアで症状を改善することが可能です。

しかし歯槽膿漏は少しずつ進行する病気です。歯肉炎だけであったのが、やがて歯槽膿漏へと症状が進むと、ホームケアだけでは対処できません。歯科医院で歯石除去を受け、原因となるプラークや歯石を取り除き、歯槽膿漏をコントロールしなければいけません。

家庭でのホームケアと歯科医院での適切な処置で、歯槽膿漏からお口の健康を守るようにしましょう。


どうやって歯槽膿漏を防げばいい?

風邪やインフルエンザの予防のように、歯槽膿漏も予防が可能です。歯槽膿漏はいちど罹患すると完治することはほとんどありません。日本では30代以上の8割以上が罹患していると言われている歯槽膿漏は、いったいどのように防ぐとよいのでしょうか。

 

■歯槽膿漏の原因はプラーク

歯槽膿漏とは、歯周病菌により歯ぐきや歯を支える歯槽骨などの歯周組織に起きる炎症です。現在では歯槽膿漏よりも歯周病と呼ばれることが多く、テレビのCMなどでも歯周病用の歯磨き粉やデンタルリンスが紹介されており、耳慣れている方も多いでしょう。

歯槽膿漏の典型的な症状は、歯ぐきの腫れと出血です。これは歯に付着したプラークという細菌の塊に棲みついた歯周病菌など出す毒素により、歯ぐきに炎症が起こります。悪化すると歯ぐきに膿が溜まり、ひどい口臭や歯のグラつきなどといった症状が起こり、最終的には歯が抜けたり、残すことができずに抜歯となってしまいます。

 

歯周病の原因はプラークです。プラークは食べかすから作られる細菌の塊で、虫歯や歯槽膿漏を引き起こす原因物質です。お口のなかには非常に多くの細菌が存在していますが、食べかすの中にある糖分を栄養素にしてネバネバとした物質を作り出し、歯と歯ぐきの境目に付着した細菌の塊です。

お口のなかに歯周病菌の存在が認められると、歯周病菌はプラークに棲みついて毒素を出し、歯ぐきの腫れや出血などの炎症を引き起こします。

 

つまりプラークが溜まることが、歯槽膿漏を引き起こしてしまうのです。

歯磨きが不十分でお口の中が不潔になることで、歯槽膿漏になる確率が非常に高まることから、プラークは歯槽膿漏の元凶と言えるでしょう。

 

■歯槽膿漏の予防には、家庭での歯磨きと歯科医院でのメンテナンス

歯槽膿漏は歯ぐきや歯周組織だけに悪影響を与えるわけではありません。歯槽膿漏は、糖尿病や脳梗塞などといった体の健康にも大きく関わることがわかっています。つまり歯槽膿漏はお口の中のみならず全身の健康にも影響する、非常に怖い病気と言えます。

ではこの歯槽膿漏はどのように予防をすべきなのでしょうか。

 

・家庭での正しいブラッシングによるプラークコントロール

まず何よりも大切なことは、正しい歯磨きを行ってお口のなかを清潔に保ち、プラークがたまりにくい環境を整えることです。

プラークは食べかすの中にある糖分から形成されます。食べかすをきれいに取り除くためには正しいブラッシングと、デンタルフロスなどを使ったプラークコントロールを行う必要があります。

 

ブラッシングは、ただ何となく行うのではなく、歯と歯ぐきの境目にブラシを当て、汚れをしっかりと取り除きます。

フロスは歯ブラシでは取り除けない細かな汚れもきれいに掻き出すことができるため、歯周病予防には欠かせません。また歯と歯の間のすき間が広めの方は、歯間ブラシが適しているでしょう。

ご家庭での正しいブラッシングをはじめとしたプラークコントロールは、歯槽膿漏予防の基本です。

 

・歯科医院で定期メンテナンスを受ける

家庭でのプラークコントロールの他に大切なことは、歯科医院での定期メンテナンスを受けることです。定期メンテナンスでは、家庭では取り切れないプラークや、プラークが石灰化した歯石除去を行い、歯槽膿漏を予防します。

また定期メンテナンスを受けてきれいになったお口の中の良い状態を保つこと、そして歯槽膿漏や虫歯などのトラブルを早期に発見し、治療することをも目的としています。

 

歯槽膿漏から大切な歯を守るためには、家庭でのプラークコントロールと、歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。

歯槽膿漏は虫歯と違って痛みなく症状が進行するため、自覚症状が現れた時は症状がかなり悪化しています。

 

歯槽膿漏は予防することができます。健やかな歯のためにも、お口の中の環境を整え、定期メンテナンスを受けて予防するようにしましょう。


歯槽膿漏を放置していたらどうなる?

歯槽膿漏は、現在ではあまり使われなくなってきた言葉ですが、高齢の方などはよく耳にしたことがあるかと思います。歯槽膿漏は今で言う「歯周病」で、適切な治療が必要となりますが、もし歯槽膿漏を放置するとどうなってしまうのでしょうか。

 

■歯槽膿漏とは?

歯槽膿漏とは、プラークの中に棲みついている歯周病菌によって歯ぐきや歯を支える歯槽骨などの歯周祖気に炎症が起きる病気で、現在では歯周病と呼ばれています。痛みが出るむし歯と違い、歯槽膿漏はあまり痛みを感じないまま症状が進行してしまうことです。自覚症状が出たころには既に症状が進行しており、そのままにしておくと歯が抜け落ちてしまうか抜歯になります。

 

■歯槽膿漏の症状

歯槽膿漏は、ある日突然発症するわけではありません。細菌感染により気づかない間に少しずつ症状が進行し、自覚症状が現れたころは既に歯槽膿漏が進行した状態なのです。

 

・歯ぐきの腫れや出血

ほとんどといっていいほど現れる代表的な症状が、歯ぐきの腫れや出血です。歯周病菌により歯ぐきの炎症が起きると、歯ぐきが腫れてブラッシングに出血することが、歯槽膿漏の典型的な症状です。

 

・歯ぐきから膿が出て口臭がきつくなる

歯槽膿漏の特徴に、口臭が挙げられます。

症状が進むと歯周病菌などの細菌がお口のなかで増殖し、独特の口臭を歯なります。

また症状が悪化すると、歯ぐきの腫れや出血の他に、膿が出るようになります。膿はイヤな臭いを出すため、膿が出ると強烈な口臭となって現れます。

 

・歯が長く見える

歯槽膿漏の症状のひとつに、歯ぐきが下がることがあります。歯ぐきが下がると歯の根元が見えてしまうことで歯が不自然に長くなってしまいます。歯の根元はエナメル質がほとんどないため、虫歯や知覚過敏を引き起こしやすくなります。

 

・歯が揺れ動き始める

さらに症状が悪化すると、歯周病菌が顎の骨を吸収し始めます。顎の骨の吸収がはじまると歯を支える歯槽骨が少なくなり、歯を支えられなくなってグラグラ揺れ始めます。食べ物を噛むことが難しくなり、食生活が困難に感じ始めます。

歯ぐきの腫れに加え膿が溜まって痛くなり、歯は今にも抜けそうなほどグラグラして噛むことができなくなってしまいます。

ここまでくると残念ながら歯を残すことは難しく、抜歯となってしまいます。

 

 

■全身の健康に大きく関わる歯槽膿漏

歯槽膿漏は、歯ぐきの炎症などお口の中だけに影響を及ぼすのではありません。糖尿病や感染性心内膜炎、脳梗塞などの全身の病気に深く関わっていることが明らかになっています。

お口のなかだけでなく、体の健康にも影響を与える怖い病気と言えます。

 

■歯槽膿漏は絶対に放置しない

歯槽膿漏を放置したらどうなるかについてご説明しました。

いちど歯槽膿漏になったら、治療をしない限り治ることはありません。

歯槽膿漏の治療は、家庭での正しいブラッシングと歯科医院での歯石除去をはじめとした歯ぐきの治療です。

そのまま放置すると抜けるのを待つだけです。自覚症状が現れたらすぐに歯科医院を受診し、適切な治療を受けるようにして下さい。


部分的に矯正することは可能なのでしょうか??

歯並びに悩みをお持ちの方は非常に多いと思います。その中には「前歯だけが気になる」「八重歯さえ治れば・・・」と部分的な歯並びが悩みという声もよく聞かれます。前歯だけなどのように、部分的に歯列矯正を行うことはできるのでしょうか。

 

■歯並びや噛み合わせの乱れを改善する歯列矯正について

出っ歯やガタガタした歯並び、受け口など歯並びの乱れや不正咬合は見た目だけでなく、歯や体の健康にも大きく関わります。このような症状の場合、歯列矯正を行って歯並びや噛み合わせを改善し、美しい口元を作りだすことでコンプレックスを解消することが可能です。

 

■歯列矯正の方法

では歯列矯正にはどんな治療法があるのでしょうか。まず矯正治療法と特徴をご紹介しましょう。

 

・ワイヤー矯正・・・歯の表面にブラケットという小さなボタンのような装置を装着し、ワイヤーを通して歯を少しずつ動かして歯並びを整える、もっともオーソドックスな治療法。

ほとんどの症例に対応できる反面、素材が金属のものは見た目が目立つことが欠点。セラミックブラケットやホワイトワイヤーにすることで見た目は目立たなくなるが、費用が高くなる。

 

・裏側矯正・・・リンガル矯正とも言い、歯の裏側に矯正装置をつけて歯並びを整える。前から見ても装置が見えないため、装置が気になる方に適している。ほとんどの症例に対応可能で、特に出っ歯の改善に対し高い効果が期待できる。話辛いこと、また歯科医師の高い技術が必要であること、そして通常のワイヤー矯正と比較すると費用がかなり高くなる。

 

・マウスピース矯正・・・透明のマウスピースを使って歯並びを整える矯正治療。インビザラインやアソアライナー、ストレートラインなど種類は多彩。取り外し式というところが最大の特徴で、食事や歯磨きが行いやすい。

 

■部分矯正について

部分矯正は、前歯や八重歯など部分的に改善したい場合に適した治療法です。

通常の矯正治療は歯全体に装置を装着する必要がありますが、部分矯正は動かす必要のある歯のみ装置をつけて歯を動かすため、治療期間が短く、費用も安く済みます。

 

部分矯正で対応できるのは、比較的症状が軽いケースです。前歯だけを治したい方や、目立つ八重歯が気になる方、歯と歯のすき間が気になる方などに適応が可能です。

部分矯正は、治療を行う歯の裏側に装置を取り付けて歯並びを整える裏側矯正か、マウスピース矯正で治療を行います。

 

短期間で費用を抑えて気になる部分の歯並びを治すことができる部分矯正ですが、大きなデメリットも持ち合わせています。それは、噛み合わせの改善が必要な症例では対応できないことです。

というのも、部分矯正では奥歯を動かさないため、噛み合わせを整えることはできないからです。部分矯正はあくまでも気になる部分だけを改善するための矯正治療であるため、治療可能な歯並びに制限が出てきます。

部分矯正は噛み合わせに問題がなく、軽症な場合に効果を発揮する矯正治療であって、噛み合わせの改善が必要であるケースにも関わらず、少しでも費用や治療期間を抑えたいからと部分矯正を行うと、よい結果が出ないばかりか、後戻りのリスクも抱えてしまいます。

 

部分矯正をご希望の方は、まず専門医に相談し、部分矯正で改善が可能かどうかをしっかりと相談する必要があります。


インプラントにするとどんなメリットがあるの?

抜歯などで歯を失ってしまったら次は噛む機能を回復させるための治療が必要になります。

咀嚼機能を回復させる治療法のひとつにインプラントがありますが、インプラントにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

■インプラントとは

インプラントとは固定式の人工歯根のことで、外科手術により失った歯の部位の歯槽骨にインプラント体を埋入し、その上に人工歯を装着して噛む機能を回復させます。

インプラント体はほとんどが純チタンまたはチタン合金でできており、生体親和に優れています。

インプラントは顎の骨に埋め込む人工歯根部分の「フィクスチャー」、インプラント体と人工歯を連結する「アバットメント」そして人工歯である「上部構造」という3つのパーツで構成されている「2ピース型」が基本です。その他にフィクスチャーとアバットメントが一体化した「1ピース型」があります。

インプラントの手術方式には一回法と二回法があり、患者様のお口の中の状態などによって手術方式が決定されます。

 

■インプラントのメリットとは

ではインプラントのメリットについてご紹介いたします。

 

・天然歯とかわらない自然な噛み心地

・審美性に優れている

・他の歯に影響を与えない

・顎の骨の吸収を抑制する

 

インプラントのメ最大のメリットは、機能と審美性を兼ね備えているところです。

同じ咀嚼機能回復治療でも、入れ歯は噛む力が弱く、硬いものや粘着性のあるものなどは噛み辛いという欠点があります。また保険適用の入れ歯の場合、金属のバネが見えてしまうため審美性に劣ってしまいます。インプラントはご自分の歯に近い感覚でしっかりと噛むことができること、そしてオールセラミックなどの人工歯により審美性にとても優れており、快適な日常生活を取り戻すことができるでしょう。

 

また他の歯に影響を与えないことも、インプラントの注目すべきメリットです。

入れ歯やブリッジの場合、バネをかける歯や土台となる歯に大きな負担がかかり、歯の寿命に少なからず影響を与えてしまいます。

特にブリッジは土台となる健康な歯をたくさん削らなければいけません。健康な歯を削ることはリスクが非常に大きく、将来的に歯を失う可能性が高くなってしまいます。ブリッジも保険適用ですが、歯をたくさん削ることは最大のデメリットです。

いっぽうインプラントは他の歯を削る必要がなく、失った歯の部分だけを治療するため他の歯に影響を与えません。そのため他の歯の健康を守ることができることは、インプラントの優れた点と言えます。

 

そして顎の骨に人工歯根を埋め込むことで、顎の骨の吸収を抑えることができます。

入れ歯やブリッジの場合、失った歯の部分の骨が吸収しやすいため、人工歯と歯ぐきの間に隙間が生じるようになり、食べ物が挟まりやすくなるなど煩わしさを感じるようになってしまいます。特に入れ歯の場合、顎の骨が吸収することで入れ歯が合わなくなり、次第にガタガタして噛めなくなってしまいます。

インプラントは人工歯根を埋め込んでいることで顎の骨の吸収を抑えることができるため、ガタつきなどを感じることはまずありません。

 

ただしインプラントには自費治療で高額な費用が必要になる、外科手術を伴う、体質によっては治療できない場合があるなどのデメリットを持ち合わせています。

 

■インプラントを希望する場合は、歯科医院選びが最重要

インプラントのメリットについてご紹介しました。インプラントには入れ歯やブリッジにはない機能性そして審美性を持ち合わせています。

メリットの多いインプラントですが、インプラント治療の成功の条件は歯科医院選びです。インプラント治療の実績や経験が豊富で、カウンセリングがしっかりと行われる歯科医院を選ぶようにして下さい。


インプラント手術に痛みはあるの?

インプラントをしたいけど、手術が怖い、痛みが心配でなかなか踏み切れない、という方もいらっしゃるかもしれません。安心してインプラント手術を受けるためにも、インプラントの手術の痛みについてお話をしたいと思います。

 

■インプラント手術の痛みについて

インプラントは外科手術を行って顎の骨にインプラント体を埋め込みます。顎の骨に穴を開けるなんて怖い、と思われるかもしれませんが、実際は抜歯と同じように麻酔の注射を打って処置を行います。そのため想像するような痛みを伴うことはまずありません。

麻酔が効いているかどうかをきちんと確認してから処置を行うため、心配することはないため安心して手術を受けて下さい。

 

また歯科医院によっては「静脈内鎮静法」という麻酔の方法を取り入れているところもあります。

通常の麻酔は歯ぐきに注射針を刺してゆっくりと麻酔液を歯ぐきに浸透させて感覚を鈍らせます。

これに対し静脈内鎮静法は麻酔液を静脈に流すことで半分眠っているような感覚の中で手術を受けるため、痛みを感じることをないまま手術を終えることになります。

特に高血圧の方などは、この静脈内鎮静法が非常に有効であると言われています。

この静脈内鎮静法は、オールオン4を行うときに用いられることが多いかもしれません。

 

手術後は痛み止めを服用し、麻酔の効果が切れたあとの痛みに対し、あらかじめ対処しておきます。

 

■インプラント手術の流れ

ではインプラント手術の流れをご紹介します。手術の流れを把握しておくことで、より安心して手術に臨むことができるでしょう。

 

  • 手術当日は体調に変化はないかどうかを確認し、手術の可否を確認する
  • 歯ぐきに麻酔の注射を打ち、痛みを感じない状態にしてから手術を行う。
  • 二回法の場合は歯ぐきを縫合し、インプラント手術を終える。
  • 手術後、痛み止めを服用していただき体調に問題がなければ帰っていただく
  • およそ1週間後、縫合した糸を抜く処置を行う。糸を抜くときに多少チクチクするような痛みを感じるかもしれません。

 

その後数か月間、インプラント体と顎の骨が結合するための安静期間に入ります。

骨とインプラント体の結合が確認できたのち、歯ぐきに埋めたアバットメント(インプラントと人工歯を繋ぐ連結部品)を露出するための二次手術を行います。この時も麻酔の注射を行いますが、二次手術は時間も短く比較的簡単に終わります。

 

インプラント手術の痛みは心配しなくても大丈夫

インプラント手術に伴う痛みについてお話をしました。

「手術」と聞くと、ものすごく痛いのではないかと思われるかもしれませんが、抜歯とほとんど変わりません。麻酔の注射を使うため、痛みを感じないまま処置が終わります。

また手術後は痛み止めを服用して対処するため、インプラントは恐い、と思っている方でも安心して手術を受けていただけるのではないかと思います。


インプラント治療ができないケースはある?

機能面、審美面ともに優れ、他の歯に影響をあたえることがほとんどないインプラント治療ですが、誰でも受けることができるわけではありません。というのもインプラントは外科手術を伴うため、治療に適合できないケースがあるからです。

 

■インプラント治療に不適応なケースとは

 

・成長過程の方

まず成長過程の方はインプラント治療ができません。成人して顎の骨がしっかりすればインプラント治療は可能ですが、成長段階にある年齢層の方はインプラントが不可能です。

 

・ガン治療中の方、顎の骨に放射線治療を受けている方

ガンで治療中の方は免疫力が低下している場合が多く、症状が安定するまではインプラント手術を避けたほうがよいでしょう。放射線治療を受けている方は骨の治癒力が低下している可能性があるため、インプラントと顎の骨の結合が難しくなってしまいます。

また顎の骨に放射線を受けている方は外科処置を受けることができません。麻酔や外科処置で骨髄炎を起こす可能性があるため、お口周りに放射線治療を受けている方のインプラント治療は禁忌です。

 

・重度糖尿病の方

重い糖尿病で、血糖値のコントロールが悪い方は基本的にインプラント治療を避けたほうがよいと言われています。傷の治りが悪くなったり、免疫量が低下することで細菌感染のリスクが上がることなど、重い糖尿病の方はインプラント手術は避けたほうがよいでしょう。

 

・血圧のコントロールができない方

高血圧症の方でも、主治医の指示に従い薬を服用し、きちんと通院している方はインプラント治療は可能です。

しかし主治医の指示にどおりに薬を服用しない方は血圧のコントロールが難しく、手術中に血圧が上昇して脳出血などを起こす可能性があります。

 

・重度の肝疾患や人工透析を受けている方

肝硬変、急性肝炎など重度の肝疾患を患っている方も、インプラント治療は基本的に避けたほうがよいでしょう。

また人工透析を伴う腎疾患に、免疫力の低下が心配されるためインプラント治療ができません。

 

・骨粗鬆症の方でBP製剤を服用中の方

骨粗鬆症の方は、服用しているお薬によって外科治療ができない場合があります。

ビスホスフォネート(BP製剤)を現在服用している方、あるいは過去に服用していた方が外科手術を行うと、骨が壊死してしまうことがあります。

 

・顎の骨が薄い方

インプラントは顎の骨に人工歯根を埋入するため、ある程度の顎の骨の量が必要です。顎の骨が薄い方はインプラントと骨の結合が難しいため、骨を増やす処置などが必要になります。

 

■症状によっては手術可能なケースも

インプラント治療ができな、あるいは難しいケースについてご紹介しました。

インプラントは外科手術を伴うため、全身疾患がある方や服用している薬などによりインプラント治療ができない場合があります。ただ状態によっては手術が可能となる場合があるため、インプラント手術ができるかどうか主治医とよく相談してください。

 

なおインプラントができない場合は入れ歯になります。入れ歯は外科手術を伴わないため、全身疾患があっても問題ありません。ただし抜歯が必要なケースでは歯を抜いても大丈夫かどうか、主治医とよく相談しましょう。


インプラントの治療期間は?

インプラントは噛む機能を回復させる治療法の中でも機能面と審美面を兼ね備え、他の歯に負担がかかりにくいという優れた特徴を持っています。しかし入れ歯やブリッジと比べると治療期間が長くなるため、インプラント治療をためらう方も多いでしょう、

今回はインプラントの治療期間を中心にお話をいたしますので、インプラント治療をお考えの方は是非ご参考ください。

 

■インプラントの治療期間はどのくらいかかるのか

インプラントは、外科手術を行って顎の骨に人工歯根を埋め込み、骨とインプラント体がしっかりと結合する期間が必要になります。

そのため同じ機能回復治療である入れ歯やブリッジと比べると治療期間が長くなります。

 

インプラントの治療期間の目安は、3~10か月ほど必要となります。

これは部位や本数、そして術式によって異なりますが、いずれにしてもインプラント体と顎の骨の結合のための安静期間を要するため、入れ歯やブリッジよりははるかに治療期間がかかってしまいます。

なお総入れ歯の方や歯を全部失った方向けのオールオン④という術式は、手術したその日に仮歯を入れることができますが。治療期間は6~8か月ほど必要になります。

 

■インプラントの術式について

インプラントには一回法と二回法という手術の術式があり、患者様のお口の中の状態によって術式は決定しますが、大部分が二回法の術式で行われます。

 

・一回法・・・外科手術を一度だけ行う術式。インプラントを顎の骨に埋め込む手術の際に、人工歯を連結させるためのアバットメントを歯ぐきから出した状態で安静期間に入ります。インプラント体と骨の結合が確認できたら、次は人工歯の型取りを行い、できあがった技工物を装着します。

 

・二回法・・・外科手術を二度行う術式。インプラント体を顎の骨に埋め込むとき、連結部分のアバットメントまで歯ぐきへ埋め込み、安静期間に入ります。顎の骨とインプラント体の結合が確認できたら、埋め込んでいたアバットメントを歯ぐきから露出させるための二次手術を行い、傷口の治癒を確認後、人工歯の型取りを行って装着します。

二回法はほとんどの症例で対応できますが、手術を二度行うため患者様の負担がやや大きいことがデメリットです。

 

・オールオン4など即時負荷

総入れ歯の方など、歯が全くない状態の患者様に適したオールオン4は、4本のインプラントで10本~12本の人工歯を支える治療法です。総入れ歯ではガタガタして噛めなかった方に適したインプラント治療法です。問題がない場合、一日で仮歯を装着可能なことが大きな特徴です。オールオン4の治療期間はおよそ5~7か月であり、その間仮歯やお手持ちの入れ歯で過ごすことができます。しかし高い技術を要する治療法であり、どこの歯科医院でも導入しているわけではありません。

オールオン4を検討中の方は、オールオン4の実績や症例が豊富な歯科医院を選ぶことが非常に大切です。

 

インプラントの治療期間は、カウンセリングから始まって手術、結合期間が必要になります。この間が長いことがネックとなり、インプラント治療をためらう理由のひとつと考えられます。しかしインプラント治療は骨とインプラント体の結合がなくては始まりません。

メリットの多いインプラントですが、治療期間が長くなることは大きなデメリットになるでしょう。こんなに長い時間がかかるなら、入れ歯にしておいたほうが良かった、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

インプラントをお考えの方は、治療期間や費用などもしっかりと相談し、納得した上で治療を受けるようにして下さい。


歯ぎしりと歯並びの関係とは

歯をギリギリと無意識にこすりあわせる歯ぎしりは、歯が擦り減るだけでなく歯並びにも影響を与えてしまうと言われています。今回は歯ぎしりと歯並びの関係について着目してみました。

 

■歯ぎしりの原因とは

寝ているときにギリギリと歯をこすり合わせて特有の音を出す歯ぎしりは、睡眠中ということもあり、意識外のところで行われています。家族に指摘されてはじめて歯ぎしりをしているということに気が付く方がほとんどです。

 

歯ぎしりは色々な年代で見られるクセで、その原因は主にストレスではないかと言われています。ストレスを抱えてうると、常に緊張状態にあるため筋肉が収縮しやすくなることから、歯ぎしりが行われてしまうと言われています。

 

■歯ぎしりによってどんな影響を受けるのか

歯ぎしり=ギリギリと不快な音、というイメージしか浮かばないかもしれません。

しかし歯ぎしりによって受ける影響はそれだけではありません。

上下の歯を強くこすり合わせたり、強く噛み締めて顎を動かすことで過度な力が加わってしまいます。そのため歯が削れて擦り減っていしまう、歯が割れる、そして歯の根っこの部分の変形などが起こります。

さらに顎や顎関節に力がかかりすぎるため、顎関節症や顔の骨格が変わってしまう心配があります。

 

■歯ぎしりは歯並びに関係するのか?

元々の歯並びの良し悪しは歯ぎしりには関係ないと言われています。

しかし大人の場合、歯ぎしりを続けてしまうことで歯の根の向きが変わったり、歯の長さや歯根部分が溶けてしまって歯の向きが変わってしまうなど、歯並びや噛み合わせに変化が生じる可能性があります。

ひどい場合は歯の根っこ部分が溶けて歯がグラグラになったり、歯の向きが変わってしまうことがあり、歯並びの乱れに繋がってしまいます。

 

また歯ぎしりをずっと行っていると歯がだんだん擦り減ってしまい、歯の高さが変わって均一感がなくなってしまいます。これは見た目の悪さ的に「歯並びが悪い」という意見に繋がる可能性も低くはないでしょう。

 

■歯ぎしりの解決法

歯ぎしりは就寝中に行われるため、歯を保護するためのマウスピースを装着するとよいでしょう。マウスピースを装着することで筋肉の緊張を緩和し、肩凝りや頭痛の改善に役立ちます。

また顎関節症予防になることも特徴です。あごの関節や筋肉を歯ぎしりから守ってくれるため、顎関節症の予防にも繋がります。

その他にもリラックス効果があるなど、マウスピースを装着することにより歯ぎしりを改善し、歯並びの変化を防ぐことが可能です。

 

歯ぎしりを防ぎ、お口の中の健康な状態を保つように心がけたいものです。


歯磨きは一日何回目安に実施すべきですか

虫歯や歯周炎などのトラブルからお口の中の健康を守るためには、まず毎日の歯磨きが基本です。歯磨きをきちんと行うことでお口のなかを清潔にしてトラブルを防ぎますが、いったい歯磨きは一日に何回行えばよいのでしょうか。

 

■一日一度は丁寧に歯を磨くことが大切

虫歯や歯周炎の原因となるプラークは、お口のなかに棲む細菌が歯と歯の間などに残る食べかすの中の糖分を栄養源にして作り出す粘着性の物質です。

お口の中に棲む細菌により食べかすからプラークが生成されるには24~48時間と言われています。プラークは細菌の塊で、虫歯菌や歯周病菌が棲みついて酸や毒素を出して歯や歯茎にトラブルを引き起こすため、プラークを作らないよう、適切なブラッシングでプラークコントロールを行わなければいけません。

 

理想的なブラッシングの回数は、3度の食後と寝る前の合わせて4回です。特に砂糖を多く含んだものを食べたり飲んだりした後はできるだけブラッシングを行い、お口のなかに残った汚れをきれいに取り除くことが望ましいでしょう。

しかし毎食後に歯磨きをきっちりと行うことは難しく、つい飛ばしてしまうこともあるでしょう。日に一度は時間をかけて丁寧な歯磨きを行い、歯と歯の間に残る汚れをきれいに落とすように心がけて下さい。

また歯ブラシだけでは歯のすき間の汚れを落とすことはできません。デンタルフロスや歯間ブラシなどを使って隅々まで汚れを取り除くようにしましょう。

 

■寝る前の歯磨きは特に念入りに

食後の歯磨きよりも大切なことは、寝る前の歯磨きです。私たちのお口のなかは常に唾液が分泌されることで潤っていますが、唾液には細菌を洗い流すという大切な役目を持っています。

しかし就寝中は唾液分泌が減少するためお口のなかが乾燥し、細菌が爆発的に増殖して虫歯や歯周炎のリスクが高まってしまいます。細菌の活動を少しでも抑えるためにも、寝る前の歯磨きは丁寧に行ってください。

 

また起床後すぐのお口のなかは、一日の中で最も細菌が繁殖し、不潔な状態です。

朝起きたらまずは歯磨きを行い、お口の中をさっぱりとさせてから朝食を摂るようにして下さい。もちろん食後の歯磨きも忘れずに行い、清潔な状態で一日を迎えましょう。

 

■汚れをきちんと落とすことが目的

歯磨きの回数の目安についてお話しました。理想は毎食後と就寝前の4回ですが、毎食後ごとに時間をかけた丁寧な歯磨きを行うことはなかなか大変です。さっと汚れを落とす程度でもいいので、できる限りお口のなかに残る糖分を取り除くようにするとよいでしょう。

そして寝る前にはじっくりと時間をかけた正しいブラッシングを行い、細菌の繁殖を抑えるようにしましょう。そのためには歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシなどの補助器具を使って日中に落としきれなかった汚れをきれいに取り除くようにしてください。


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